つくり手
西川農藝

鳥取県中部に位置する「白壁土蔵の街」として知られている倉吉市。
無農薬・無肥料の自然栽培で育てた「胡麻」を原料に、低温圧搾生搾りで、こだわりの植物油を生産している「西川農藝」をご紹介します。
代表の西川 真(にしかわまこと)さん[1972年生まれ]
現代、日本における胡麻の国産化率は0.1%と言われています。
西川さんは高校卒業後、東京→大阪→アメリカへと留学し、Uターン帰省。
外資系ラグジュアリーホテルのレストラン部門や料理学校の新規事業開発などを担当し「食」の世界に長く関わってきました。
良質な食材を提供するため、献身的に取組む人達の世界を垣間見る中で、いつかは自分も手掛けたいという想いが西川農藝を立ち上げました。
良い企業に入ることが勲章という考えは日本独特で、ハーバードの学生から言わせれば「そんなつまらない人生」という価値観の違いは、西川さんにとって大きな刺激となり、いつかは独立して経営者に成りたいという意欲に繋がったと西川さんは話します。
「属してる組織が凄い=その人が凄い」かは、また別の話。
原料の生産から加工・販売まで、全てを自分で担う仕事をやってる以上は「自分が全て」で、ある意味ではそういう挑戦なんだと西川さんは語ります。
厳密に言えば自然栽培でも一部、口にできる食酢などの使用が認められていますが、そういうものも一切使わず、ビニールマルチのような化学合成的な物を畑には入れたくないという栽培スタイル。
農法の枠を超えた西川さん自身のこだわりでもあります。
故郷へ戻り、今までとは全く違う職種に就く事は、西川さんにとって新たなチャレンジでもあり、ゆくゆくは町への貢献、地方創生に繋がる大きな挑戦でもあります。
そして西川農藝のモットーには「温故知新」という言葉があります。
西川さんはこう話します。
「私達は古くから続いてきた事柄には意味と理由があると考えています。しかし、古いものを守るために新しいことを拒絶することはしません。
古くから続いてきた事柄の意味と理由を知り、新しい技術や発見を加えることで古くから存在する事柄を時代に合わせて正当に進化させていきたいと考えています。」
農家さんの実際の声を文字に起こした取材記事はベジタブルジャーニー美土和