黒潮農場



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海と共に生きたいと、良い塩づくりが出来る環境を求めて鹿児島県の大隅半島へ移住してきた天然塩釜元「黒潮農場」をご紹介します。

代表の高橋 素晴(たかはしすばる)さん[1982年生まれ]

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新潟県白根市出身の素晴さんの経歴は目を見張るものがあります。

5歳でカヌーを始め、9歳で佐渡海峡を横断。

小学6年生の時には地元でもある新潟県を自転車で一周。

10歳からヨットの挑戦を始め、14歳の時ヨットによる単独太平洋横断を行い世界最年少記録を樹立。

わずか14歳でエンジン無しのヨットによる単独太平洋横断の挑戦について、専門家からは「生きて帰って来れない危険なチャレンジ」と言われてはいたが、数々の難を乗り越え無事に生還を果たし世界記録をつくりました。

20歳頃からは、環境問題を中心に社会問題に取り組み「自然と暮らしをつなぐ」をテーマに鶏の解体・火起こし・ツリーハウス・廃材建築・田舎暮らし・無人島ツアーなど幅広いワークシップを開催。

25歳には日本縦断環境教育プロジェクトアースキャラバン2008のローカルリーダーを務めました。

26歳、天然塩釜元・黒潮農場を起業。

27歳、「自然の恵」×「文化力」=「豊かな暮らし」自然の恵みと人の暮らしを学びと生産で繋ぐ「NPO法人 アースハーバー」を設立。

31歳から自宅や工房をセルフビルドすべく技術と道具の獲得を兼ね大工を始め、33歳から塩作りのため綺麗な海を求めて鹿児島県の大隅半島へ移住。

最近ではワークショップの一環として、山から竹を切り出し、竹製の巨大な「ハイジブランコ」なども手掛けています。

現在の仕事について尋ねたところ「収入を得る手段としては塩と大工業がメインですが、友達の所でする労働などは全て働くという事だけど、お金になってるものもあれば、ならないものもあって、あまり収入が得られるからこれは仕事でこれはボランティアみたいな考え方に切り分けてはいない」と素晴さんは話します。

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「学生の頃から自然学校をやろうと思っていたんですよね。

自然学校がやりたい事のドンピシャっていう訳でもなかったんだけど、次の時代に繋がる学びの場を創りたいっていうのと、直接的にというよりは包括的に自然と関わる仕事がしたいという事の中で自然学校がイメージに近いかなと学生の頃から漠然とあって」と話す素晴さんは、自然学校系のNPO理事に関わっている中で限界性を感じ始めていました。

「今は訴訟の時代に入って来ていて、自然体験の世界ではリスクマネジメントのプログラム化をしないと事業として成り立たない。

しかし、そこまでリスクマネジメントしたら本末転倒でやる意味がない。

プログラム化も安定した一定のクオリティを誰がやっても提供できないと事業としては安定しないし、自然を相手にするってそういう事じゃない。

均一に出来ないからこそ、そこに楽しみがあり学びがある、プログラム化すればするほどつまらなくなる。

より実践的な学びの場を創りたいというのが自然学校業界に片足突っ込んで思った事で、やりたい学びの場を実践しようと思うとやっぱり収益性のジレンマもあるので、いっそ有機的で生産的な活動を軸に、それ自体が学びの場になるような仕事があったらそれがイイなって探す中で『塩づくり』だって思い立った」と、自然学校の難しさや塩作りの経緯を話してくれました。

塩へのこだわりを尋ねると、素晴さんはこう答えました。

「綺麗な塩でやりたいってずっと思っていて、住先をずっと探してる中で佐多岬の海水は凄く良いんですよ。

魚が凄く豊富、魚種も多いし量も多い、海が多様で豊か。

移り住んでからイノシシ猟も始めたんだけど、山に入るようになったら山も凄く良くて、至る所から美味しい水も湧いてて。

南大隅って1つの岩盤の塊なんですよね。表面が風化して真砂土になり、黒潮がドンっとぶつかって標高もあり雨もたくさん降るから水は美味しいんですよ。

塩は直接食べる物ではないので、料理や加工に使う素材を活かせる塩がイイ塩だと思うんですよね。

じゃあどういう素材に合わせるのかってことで、前は柔らかい塩を作ってたんですけど、最近はちょっと抽象的な言い方なんだけど『強い塩』にシフトして。

世の中にある野菜も肉も魚も、季節は無いし、肥料をたくさん入れて農薬かけて作るから、形は立派だけど中身がスカスカなんですよね。

滋味がないし、深みがないし、底力がないから、柔らかい塩を使った方が合うんですよ。

でも本当に土が出来ていて、旬の味が乗った野菜って、柔らかい塩だと野菜の旨味がどんどん出て来て、結局また塩を足すというように食材の底力が全然違うんですよね。

 肉もやっぱり短時間の中で経済効率を重視して大きく育てた肉と、野生の肉とは全然底力が違うし。

そういう『力』がある食材に負けない『食材の底力を引き出せる塩』

でも、そういう食材が少数派じゃないですか。

だからそういう強い塩に切り替えることで塩が売れなくなるかもなって思いながら、でもそれでもイイやと思ってやってますね。

どういう社会であって欲しいかって事で言えば、やっぱりそういう社会であってほしいし、素材の底力に合わせた塩を作ろうっていうのがありますよね」

 

 

36961.png 農家さんの実際の声を文字に起こした取材記事はジタブルジャーニー美土和 

 

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